平成でも始めの頃は、外国の食についての情報はさほど多くはありませんでした。
うちなんて、母親が10月の末にカボチャの煮物、カボチャの味噌汁、カボチャの天ぷらを食卓に並べて「アメリカではカボチャの祭りをするらしい」などと言っていましたからね。ハイ、お察しの通りハロウィンでございます。
そんな状況ですので、外国の児童文学を読んでもわからないことが山ほどあるのです。この記事では、当時読んだ外国のお話の中に出てきた未知の、そして憧れだった食べ物を、記憶をたどりながら書いてみたいと思います。
目次
コケモモのジャム

中でも憧れたのがこのコケモモのジャムでしたが、そもそもコケモモが何かわからないのだから大変です。
コケモモというからには多分苔の一種なのだろう。外国には夏場に生える苔があり、それはきっと甘くておいしいものだろう。そう結論づけはしたのですが、そうなるといろいろとつじつまが合わない。
たとえば本の中には、子供たちがコケモモを摘み、ときどき口に放り入れてはうれしそうに笑う、なんて場面もあるわけです。その場面は、「夏の森、苔が生えるようなジメジメしたところで子供たちが苔をむしり、口に入れてはニターっと笑う」。こう変換されてしまいます。
仕方がありません。だって苔なんですもの。口の周りを緑色(苔ですからね)にして笑う子供たち、ちょっとしたホラーですよね。
令和の今、インターネットで調べてみると、コケモモとはベリーの一種で日本でも採ることができるとか。そっか、ベリーか……。
オートミールのお粥

子供がね、これをまずそうに食べるんですよ。
オートミールのお粥も、外国の児童文学にはよく出てくるのですが、子供たちがこれをおいそうに食べる描写がいまいち思い出せません。
ではオートミールとは何か。
「オートミール」とは、オーツ麦という穀物を食べやすく加工した食品のこと。日本語では燕麦(えんばく)と呼ばれており、麦の形が燕(ツバメ)に似ていることがその名の由来と言われています。
買うときに失敗しない!オートミールの種類やおすすめ商品10選をご紹介 | クラシル比較
最近ではスーパーでも売られているようですね。私も買って食べたのですが、思っていたほど悪くはない。普通の無糖シリアルといった感じでした。でもまあ、子供が好まないのはわかるかな。モソモソしてるし。
私も結局、お砂糖を足して食べました。
パンプディング

パンはわかる。プディングとはどうやらプリンのことらしい。
そこまでわかって、あとは迷走ですよ。
なにせ当時の私にとって、プリンといえばあれ。プッチンするあれなので、そこにどうパンの要素が加わるものか想像がつかないのです。
ある日思い立ち、食パンのミミをプッ〇ンプリン突っ込みましたが、これがクリスマスのご馳走になるとは到底思えず。無理でした。
Google先生に尋ねると、案外簡単に作れるもののようです。パンに牛乳をひたして焼いて、フレンチトーストみたいな感じ、でいいのかな?
ミンスパイ、ペカンパイ

パイでもね、アップルパイやチェリーパイくらいはさすがにわかる。しかしミンスとは? ペカンとは?
阿呆な子供は考えます。つまりミンスとはミントの言い間違い、書き間違いではないのか。あのスースーする歯磨き粉みたいなハーブに関係があるもので、すっきりさわやか、大人テイストのパイなのではないか。
この世の中にはミントなるスースー系の食べ物に、一定のファンがいるらしいことはうっすら知っていたのですね。チョコとミントのオシャレなアイスクリームがあることもきいてはいた。だったら間違いないだろうと、たかをくくっていたものですが。
実際にはミンスパイは
ミンスパイとはイギリスで伝統的に食されている、クリスマスを祝うお菓子のこと。ひと口サイズの小さなパイ菓子は、中にドライフルーツやナッツなどのフィリングが詰められ、上から星や十字を模ったパイ生地が被せられます。
ミンスパイとはどんなもの?お菓子マニア編集部がわかりやすく解説! - フードマニア Food Mania by 旭屋出版
なるほど(敗北)
では気を取り直してペカンパイ。
ペカンパイは、本によってはピカンパイ、ピーカンパイなどと書かれることもありまして、混乱しましたね。考えていわく「ピーチかピーナッツのどっちか!」と、乱暴すぎる結論にいたりました。
しかし、読んだ感じだとどうやら甘いパイらしいのですね。だったらピーチだろうと、これも確信を抱いたのですが、本当はピーカンナッツというナッツを使うパイだそうです。
せめてピーナッツに寄せていれば……(二連敗)
サワークリームとザワークラウト

「サワークリームの酸味が云々」といった描写があったように思います。つまりサワークリームとは酸っぱいクリームであるらしい!
となるとここで疑問が浮かび、正解の出ないなぜなぜ地獄に突入ですよ。
「子供もおいしそうに食べている。しかし食事に酸っぱいクリームをかけられて喜ぶ子供がいるだろうか」
ナントカの考え休むに似たりというやつですが、気づいてしまったのだから仕方がない。無駄に頭を巡らせて、おバカの結論を叩き出しました。
「酸っぱいといってもそんなに厳しい酸っぱさではなく、ときに甘い、子供用のものがあったりして、バナナにかけるとおいしいのではないか?!」
……ちょうどプレーンヨーグルトが出始めた頃でしたのでね。白くて酸味があってクリーム状となると、もうそれしか思い浮かばないわけですよ。悲しいかな、世界の狭さというのがこういうところに如実に現れてしまうのです。
語感が似たものにザワークラウトがありましたが、こちらはご親切にも「キャベツの漬物」と訳してくださった方がおり、理解がスムーズに。冬に出てくる白菜の浅漬けをかじりながら、本の世界へと思いを馳せておりました。
まとめ
子供の頃の私にとって、わからないものはわからないまま。調べる手段も限られていましたから、そういうものだと思って大きくなりました。
大人になって、ミンスパイとは何かを知り、オートミールを口にして、謎もたくさん解けましたが、知らないままでいるのもよかったかな、と思うこともあります。
ちなみに2024年8月の現在、コケモモのジャムは未だ口にしたことがありません。いっそこのまま、謎のままでとっておこうと考えています。
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