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岡根谷実里「世界のお弁当とソトごはん」日本のお弁当は特殊だった? 世界の昼食にびっくり

 

世界のお弁当とソトごはん

 

子供の頃はガールスカウトに入っておりまして、そこにはお弁当に関する独自のルールがありました。いわく「お弁当はおにぎりのみ。ただし具材は自由」というもの。

 

これはなかなかの衝撃でしてね。それまでお弁当といえばお弁当箱。箱ありきという考えだったのです。しかしおにぎりだけでよいのなら、なんと身軽なことでしょう。それでいて主食も主菜も食べられるのですから、これはすごいことです。

 

私の中にあったお弁当の概念が180度ひっくり返りました

 

 

 

 

「世界のお弁当とソトごはん」の内容

三才ブックスさんHPより

“世界の台所探検家”として100以上の台所を巡った著者が、旅先での実体験をもとに、携帯食、テイクアウト、屋台食など、生活スタイルの違いによってさまざまな様相をみせる世界中のお弁当とソトごはんを一冊にまとめました。

世界のお弁当とソトごはん | 三才ブックス

 

「世界のお弁当とソトごはん」の感想

お弁当ってなんだ?

北欧から南米まで、世界17カ国の「お弁当」が紹介されています。それも、著者ご自身が料理を手伝い、一緒に食べてのレポートですから面白いこと間違いなし! 写真も豊富で見ているだけでも楽しめます。

 

しかし「お弁当」とは? 日本人である私たちにとって、外で食べるために家から持っていく食料は「お弁当」。主食とおかずを箱に詰めたものです。内容としては、家の中でとる一食とさほど変わりがないのが一般的ではないでしょうか。

 

では世界の人は?

 

たとえばボツワナのディジョスタンド。会社で働く人たちは、お昼休みに近くのお店へ食事を買いに行きます。いろんな料理が並んでいるので、好みのものを二品、三品選ぶ人が多いそう。

 

南米ペルー、高地のジャガイモ畑のそばには、煙が出ている小山のような盛り土があるとか。そこへ収穫したてのジャガイモを埋め、お昼になったら掘り返していただくのですが、これも絶品だといいます。

 

おうちからサラダを持ってくることはあるけど、メインはその場で収穫し、土の中で蒸し焼きにしたジャガイモ。

 

どちらもおいしそうですが、日本人が考える「お弁当」とは少々違うような気もします。

 

タイトルの「ソトごはん」の意味

前書きに、編集者からこの企画を持ち掛けられて、著者は戸惑ったと書かれています。自身で作る習慣はなく、むしろコンプレックスさえ抱いていた「お弁当」というものについて、書けるだろうかと。

 

しかし考え直してみると、「お弁当」とはつまり外で食べるための携帯食料のこと。だとしたら世界にはいろいろなものがある。いや、携帯するだけではなく、現地調達も含めて家の外で食べるご飯も含めていいんじゃないだろうか。

 

そうした意味を含んだ「ソトごはん」という言葉を足して、本書は完成したそうですが、実際にこの「ソトごはん」という考えを頭に置いて読んでいくと、視野がぐっと明るくなるのがわかります。

 

「お弁当とソトごはん」からその国の風土や歴史が見えてくる

家の外で食べるのは必ずしもお弁当ではない。世界中の皆が皆、家から携帯食を持っていくわけではない。「ソトごはん」はそのことを教えてくれましたが、では、何が違うんだろう。なぜ人は皆「お弁当」を持っていかないんだろう、おいしいのに。

 

だけどそれは日本人が、一日には朝昼夜と三食いただくのが当たり前だと思っているからで、一日二食でよいのなら、外での食事は小腹を満たす程度でよい。主食におかずに栄養バランスに、と考える必要はなくなるのです。

 

また、料理が好きで、あるいは節約のために食事を持っていきたいと思っても、それができない地域もあります。たとえば暑いボツワナでは、お昼までに食べ物が悪くなってしまうかも。寒い地域では凍って食べられないこともあるでしょう。

 

それを考えると「お弁当とソトごはん」って、その土地の気候や歴史や文化や暮らしに、強く結びついたものなのですね。

 

まとめ

子供の頃のおにぎりだけ持参のルールでお弁当の概念が大きく変わりました。そしてこの本を読んでまたガラリと!

 

本書にはまた、日本でお弁当の文化が発達したのは、日本の米が冷めてもおいしく適度にねばりっけがあるから、とも書かれていました。ということはおにぎりも同様、そのお米があってこそということになるのでしょうね。

 

こうした本を読んでいつも思うのは「世界は広い。何でもアリやな」ということ。自分の常識、自分を縛るもの、たとえばお弁当は〇〇であらねばといった思い込みのなんと小さなことか。

 

知らないことを知る楽しさ、食の面白さに加えて、少しだけ肩が軽くなる作用も……あるかも。楽しい読書でした。

 

 

 

 

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