きっかけはこの本、「マンガでわかる もしかしてアスペルガー!? ~大人の発達障害と向き合う~」を読んだことでした。
それまで私は、アスペルガーの人とは空気が読めない人という印象を持っていました。が、そうとは限らないみたいなんです。いろんなタイプの人がいて、中には空気が読めるのにコミュニケーションが苦手という人もいるそう。
ではいったい、空気が読める「受動型」アスペルガーってどんな人なんだろう。
目次
「マンガでわかる もしかしてアスペルガー!?」を読んで
とある会社のとある部署。ここに3人の困っている人がいました。
ひとりはミクさん。表情が顔に出にくく、仕事の優先順位をつけるのも苦手です。
レイコさんは怒ってばかり。人の話をきかず、一方的に自分の都合を話します。
マイペースなユウトくんは、周囲に注意を払わないため、少し浮いているみたい。
新しく配属されてきたオニザキ課長は、3人と面談を繰り返しながら、それぞれが働きやすくなるアドバイスを与えます。苦手なことを自覚できた3人はやがて……。
漫画がメインで、それに解説が加わるという構成。漫画は絵柄もかわいらしく、内容もポジティブでよかったです。最後は泣けちゃいましたよ。
アスペルガーにもタイプがある
3人はアスペルガーの特性を持っていましたが、それぞれタイプが違うようです。
感情を出すのが苦手、言葉がとっさに出ないミクさんは「受動型」
コミュニケーションは達者なように見えるが、実は一方的で困惑されがちなレイコさんは「積極奇異型」
我関せずでマイペース、人間関係につまづきやすいユウトくんは「孤立型」
よく言われる、空気が読めない人ばかりではないんだ。中でも特に、思っていることはたくさんあるのに口に出せなくて、誤解されがちな「受動型」のミクさんが印象に残りました。
「受け身型アスペルガーの10の特徴」を読んで
Kindle Unlimitedで見つけ、受動型アスペルガーについて知りたかったので読みました。
いわゆるkindle出版というやつで、編集等も入っていないようですから、少々読みにくい部分も。改行が多いので、本を読み慣れている人なら、大した時間もかけずに読了できるでしょう。
しかし、著者ご自身の体験も多く、わかりやすかったです。受動型アスペルガーについて、自分なりに理解が深まったような気も。もしかしたら、未読のみなさまの中にも、ご自分や周囲の方にお心当たりがある方もおられるのではと、一部内容をご紹介したいと思いました。
なお、受動型という言葉については、本書に倣い、ここからは受け身型と表記します。
受け身型アスペルガーの特徴
他人に興味がなく、冷たい人だと思われる
空気も読むし周囲にも気を配っている。しかし、相手のことを考えすぎて自己主張をするのが難しいのが、受け身型アスペルガーの特徴だといいます。
本書では「自分と他人の間の境界線の引き方が適切でないこと」をアスペルガーの特徴としていました。受け身型の人は、境界線を相手の側に引き、相手の気持ちや立場を考えることが多いとか。
頼まれごとを断るのも苦手。遠慮や我慢を重ねて、ストレスをためることも多いようです。
すぐに感情がわいてこない
後になってから「失礼なことを言われた、言い返せばよかった」と考えることもしばしば。
アスペルガーの人は、一度にたくさんのことを処理するのが苦手だそうです。会話中にも周囲の音が気になって、理解が追い付かないこともあるとか。
また、あやふやな言葉もわかりづらい。「愛想が悪い」といわれても、「そもそも愛想って?」などと考えてしまい、反応が遅れることもあるようです。
一度の失敗を長く引きずってしまう
多くの人は失敗をしても、目の前にやることがあれば、反省などはいったん「保留」にして、やるべきことにとりかかることができます。
しかしアスペルガーの人はその「保留」が苦手。とりかかったことを終わらせないと、次の作業に移ることが難しいのだそう。
自他の境界線が適切でないため、自分のせいだと思い込むこともあるといいます。周囲の人が思うよりもショックを受けていることも。
ニュースやフィクションを真に受ける
見えるもの、目の前にあるものに強いリアリティを感じてしまうのがアスペルガーの特徴のひとつ。
歌集中を起こしやすいこともあり、映像などを見たときの没入感が大きく、現実との区別がつきにくくなることがあるようです。テレビでイヤなニュースを見ると、まるで自分がそこにいて体験したかのような、精神的なダメージを受けることもあるとか。
「受け身型アスペルガーの10の特徴」改善策と向き合い方
まずは自分の特性を知り、その上で適切な対応をすること。
これまでは、アスペルガーといえば空気が読めないとされていましたから、空気が読め、人の気持ちに敏感な受け身型の人は、自分はアスペルガーではないと考えることも多かったそう。
そのため、努力して改善しなければと自分を追い詰め、辛い思いをすることもあったようです。
しかし、ひとくちにアスペルガーといっても特徴はさまざま。ひとりに当てはまった方法が、皆に合うとは限らないという、難しい面もあるみたい。でも、まずは知ること。本書はその助けのひとつになるのではないか、私はそう考えました。
まとめ
ここまで読んできての正直な感想は「なんて損な人たちなんだろう」というものです。まったく、失礼極まりないことですが。
しかし、損ばかりさせているわけにはいきません。
こちらから声をかける、お願いするときは具体的に、言葉の定義をはっきりさせる、断ってもらいやすいよう気を配る。それくらいのことは多分できそう。
今回の読書のおかげで、私の視野も少しばかり広くなったように思います。世の中いろんな人がいる。いろんな人がみーんな気楽に気軽に生きられるように、ちょっとした声かけくらいできるようになりたいな。そんなことを考えました。